葬儀が終わった後に受け取る領収書のもう1つの重要な使い道は、公的な給付金である「葬祭費」や「埋葬料」の申請手続きです。故人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合、葬儀を行った施主(喪主)に対して、市区町村から一定額の給付金が支給されます。この金額は自治体によって異なりますが、一般的には3万円から7万円程度となります。この給付を受けるためには、葬儀を行った事実と誰が葬儀費用を負担したかを証明する必要があり、その際に葬儀社の発行した領収書が必須書類となります。領収書には宛名として施主の氏名が明記されている必要があり、これが一致しないと申請が受理されないことがあるため注意が必要です。また、故人が会社員として健康保険組合や協会けんぽに加入していた場合は、埋葬料として5万円が支給される制度もあります。この場合も領収書のコピーを添付して申請を行うのが一般的です。申請の期限は葬儀を行った日の翌日から2年以内とされていますが、2年も経過すると領収書を紛失してしまうリスクがあるため、葬儀後なるべく早く手続きを済ませることが推奨されます。さらに、領収書の使い道は公的な給付金だけにとどまりません。勤務先によっては、福利厚生の一環として慶弔見舞金が出る場合があります。この際にも、葬儀を執り行ったことを証明するために領収書の提示を求められることがあります。民間保険会社の生命保険に加入していた場合、死亡保険金の受け取り手続き自体には領収書は不要なことが多いですが、特約の内容によっては葬儀費用を補填する給付が出ることもあり、その際にはやはり領収書が使い道として浮上します。このように、領収書は支払った金額を確認するためだけでなく、各種の還付金や給付金を受け取るための「引換券」のような役割を果たします。1枚の領収書を大切に保管しておくことで、葬儀で発生した多額の出費を数万円単位で回収できる可能性があるのです。領収書の裏面に、申請の進捗状況を鉛筆でメモしておいたり、コピーを数枚取って予備を保管しておいたりする工夫も有効です。葬儀費用の支払いは非常に高額になることが多いため、こうした小さな給付制度を漏れなく活用することは、遺族の生活を守る上でも軽視できないポイントです。領収書の使い道を単なる経理上の記録と考えず、家庭の家計を助けるための公的な権利行使の手段として活用することが、賢い葬儀後の過ごし方と言えるでしょう。
葬儀費用の領収書で受け取れる埋葬料の申請方法