近年、親しい身内だけで執り行う家族葬が主流となっていますが、その所要時間は一般葬と比べてどのように異なるのでしょうか。結論から言えば、宗教儀式の時間そのものは一般葬と大きく変わりませんが、参列者が少ない分、焼香や受付にかかる時間が短縮される傾向にあります。家族葬の場合、通夜は約45分から1時間程度で終了することが多く、参列者が身内のみであれば通夜振る舞いの時間も自由度が高くなります。告別式についても、参列者が10名から20名程度であれば、全員の焼香がスムーズに終わるため、1時間以内に収まることがほとんどです。しかし、家族葬だからといって極端に時間が短くなるわけではないのが火葬のプロセスです。どのような形式であっても火葬には1時間以上の待機時間が発生するため、告別式の開始から精進落としの終了まで、トータルで4時間から5時間は必要となります。一日葬という選択肢を選んだ場合は、通夜が省略されるため、2日間にわたる拘束が1日に凝縮されますが、葬儀当日の流れは午前中の開式から午後の火葬終了まで、やはり半日はかかります。家族葬の大きな特徴は、時間の使い方に融通が利きやすい点にあります。一般葬のように見ず知らずの参列者に気を使う必要がないため、故人の思い出話をゆっくりと語り合う時間を多めに取ることも可能です。一方で、遺族としては、参列者の人数が少ないからといって直前に到着するのではなく、やはり開式の1時間前には会場に入り、僧侶との打ち合わせや供花の見分などを行う必要があります。火葬場での待ち時間も、家族葬であればより親密な会話の場となり、結果として全体の滞在時間は一般葬と変わらなくなることも少なくありません。家族葬における「何時間」という問いへの答えは、形式的な時間の短縮よりも、親族間の密な対話にどれだけ時間を割くかという点に集約されます。家族葬であっても、余裕を持って5時間程度のスケジュールを確保しておくことが、心穏やかなお別れを実現するための第一歩となるでしょう。
家族葬の平均的な時間と一日の流れを解説