葬儀から10日後、遺族が真っ先に取り組むべき実務の1つが、故人名義のインフラやサービスの整理です。電気、ガス、水道といった公共料金の契約は、葬儀から10日も経てば、その後の住居の状況に応じて「名義変更」か「解約」を選択する必要があります。特に、故人が1人暮らしであった場合、空き家の状態が続くことによる基本料金の無駄を防ぐため、10日後を境に速やかに手続きを行うのが経済的な鉄則です。また、現代の生活において見落としがちなのが、固定電話、インターネット、そしてスマートフォンの契約です。これらは解約を忘れると、10日、20日と経つうちに翌月分の利用料が発生し、後から返金手続きを行うのは非常に手間がかかります。葬儀10日後というタイミングは、故人の財布や机の引き出しからカードや明細書をすべて取り出し、1件ずつ電話やWEBで手続きを進める「インフラ整理日」と決めるのが効率的です。また、NHKの受信料、新聞購読、クレジットカード、さらにはスポーツジムや定期購読のサービスなど、目に見えにくい月額課金(サブスクリプション)の洗い出しも、10日目には完了させておきたい項目です。これらを放置すると、相続財産の調査を難航させる原因にもなります。手続きには、多くの場合「亡くなったことを証明する書類」のコピーが求められます。10日後であれば、死亡診断書や火葬許可証のコピーが手元にあるはずですので、それを5部から10部程度コピーして、手続き専用の封筒にまとめておくと作業が捗ります。また、車両の名義変更や廃車手続き、運転免許証の返納なども、10日後から1か月以内に行うべき項目です。葬儀10日後という時期は、故人が「社会の構成員」として登録されていたあらゆるデータを、1つずつ丁寧に閉じていく作業の始まりです。それは、故人の存在がこの世から消えていくようで寂しい作業かもしれませんが、法的な責任を完結させるための、遺族としての最後の奉公です。10日目の事務作業を完璧にこなすことで、不必要な督促やトラブルから家族を守り、安心して故人を偲ぶための環境を整えることができるのです。
葬儀10日後の名義変更と公共料金の解約手続き