葬儀の受付を依頼された際、あらかじめ「3時間程度で終わる」と聞いていたにもかかわらず、実際には何時間も延長してしまったというケースは少なくありません。受付担当者は、式の開始前から終了後まで最も拘束時間が長くなる役割の1つです。ある事例では、有名な地元名士の葬儀で、予想を大幅に上回る300名以上の参列者が詰めかけました。受付の列は途切れることなく、予定されていた1時間の受付時間は2時間に延長され、式の開始自体が30分遅れる事態となりました。このような場合、受付担当者は式の最中も香典の集計や記帳の整理に追われ、結局、後片付けが終わったのは予定より3時間遅れの夕方でした。葬儀の時間は、参列者の人数という不確定要素によって、容易に数時間の単位で変動します。特に、弔辞の人数が多い場合や、僧侶の説話が長引いた場合、さらには出棺時の親族の別れが惜しまれて時間が過ぎるなど、儀式の場には「予定通り」にいかない要因が数多く潜んでいます。また、火葬場の混雑も大きな要因です。友引明けや冬場など、葬儀が重なる時期には火葬場の予約が1時間待ちになることもあり、その分だけ全体のスケジュールが後ろに倒れます。受付や手伝いを依頼された場合は、案内された終了予定時刻を鵜呑みにせず、プラス2時間程度の余裕を持ってスケジュールを空けておくのが賢明です。逆に、時間が余ることもあります。参列者が極端に少なかった家族葬では、予定より1時間早くすべてが終了し、精進落としの会食も早々に切り上げられることがあります。葬儀の時間は、ある意味で「故人が支配する時間」であり、生きている側の都合だけでコントロールできるものではありません。受付担当者として意識すべきは、時間の変化に柔軟に対応しつつ、どのような状況でも冷静に参列者を迎え入れる姿勢です。何時間拘束されるかを気にするよりも、その大役を任されたことの責任を全うし、遺族の負担を少しでも減らすことに注力すれば、結果としてその時間は非常に意義深いものになります。葬儀が予定より長引くことは、それだけ故人が多くの人に愛され、惜しまれている証拠でもあるからです。
葬儀の受付担当者が経験した「予想外の延長時間」